2024.11.26
原理原則原理原則

こんにちは。
言葉のとこころのセラピスト 清水宏美です。

言葉やこころの問題に取り組もうと思った時
問題を解決しようとした時
子どものこころを健康に育てようとする時

原理原則は何よりも大切になります。

シンプルな仕組みの基本と根本
もともと
を理解しているだけで、問題はずっと扱いやすくなります。

また、対処療法に終始するのでなく、
根本の解決を考えることができるようになります。


今回は、そんな発達の大原則の中の一つ


Innが先でOutが後
について、書いていきたいと思います。



子どもはどのように言葉を発達させるか


子どもは、おおよそ1歳くらいで話し始めます。

しかしその前に、人の言っている言葉を理解するようになります。

だいたい10か月くらいからでしょうか。

ばんざーい ばいばーい など、簡単な単語を拾って、それに応じた動作をします、
可愛いったらないですね。

おつむてんてん など、手遊び歌に合わせて頭の上で、手を合わせようとします。
(実際には頭が大きすぎて、両手が頭の上で合わさらないんですけどね 照)

そして、状況や文脈のある言葉、毎日のルーティーンで使う言葉を、聞き分けるようになります。


ごみ ぽいしてきて
○○ちょーだい

(お散歩に行きそうなときに)くっく はこうか

などです。


まず言葉が理解できるようになること。
これが先に起こります。

浴びるように、染みこむように、理解に浸された後。
それが、にじみ出るように表出する時を迎えます。

記号が、何か特定の状況や物を現していることを理解し、
発声発語器官がその音の連なりを創る準備が出来た時、
それと同じ音を、自らも表象として使うようになります。


それに先立ち、指さしを使うようになっている、と言うのも特徴です。
指さされた先を見て理解し、自分も指をさして物を指し示す。

余談ですが、自閉症のお子さんでは指差しをしないのは、とても興味深いと思います。
3項関係としてでなく、そのもの として、言語を使うようになる道筋を現しているのではと思われ、とても特徴的です。


子どもはどのようにこころを発達させるか


こころの発達についても同じです。

理解した、体験した こころの態度 に対してのみ、
相手に同じことを出来るようになります。

安心する ということを体験している人だけが、
人を 安心させる ことが出来ます。

ADHDなどで、集中する という 状態が、
どういうものかわからないお子さんには、
まずは、集中する、ということの 意味 を、
体験してもらいます。

これは面白い、
見るってこういうことか、
注目するってこういうことか。


その子が、面白くて、見ざるを得なくなるような、絵本でもペープサートでも、何でもいいと思うのですが、集中する、ということを体験してもらいます。態度を、学習するということです。

それは、こころの態度なので、その子の 内側から しか、出てこないのです。


 こっち見て!

 よく見て!

そういった声掛けでは、集中する ということを、教えることは出来ません。
体験したことしか、表出できるようにはならないのです。


小学生の時に学ぶべき心性で

勤勉性

という非常に重要なこころの状態があります。


それも、体験する ことでしか、学ぶことが出来ません。

とにかくやってみたら、何か結果が出る。
とにかくやってみた。そしたら何とかなった。

これも、子どもが楽しくて自分から取り組んでしまうような課題を、行うことで身につくものです。

そして特に低学年のうちは、これを人に認めてもらうこと。

先生や、発表の機会、教室での掲示などを通して、成果物を分かち合うことです。

勤勉に行う、という 体験
そして その結果の共有 を通して、子どもは 取り組むことの面白さを知ります。

そしてその能力は、4~5年生のころからやってくる、思春期と言う大きな荒波を乗り越えるための、力となります。


 ちゃんとやりなさい!

 最後まで終わらせなさい!

そういった、外からの後付けでは、こころの態度 心性は、教えられないのです。
こころの育ちなので、中 からしか生まれて来ません。



体験が先。
表出が後。

お友達に優しくしなさい
皆のことを考えなさい


先に、体験しておく必要があるのは、何でしょう?

優しくしてもらう体験
溢れ出て来るほどに、自然と内から外へ出てくるほどに、浴びて体験している必要があるのです。
言葉の理解と同じです。浴びるほどに自分の内側から染み出してくるまでに、体験している必要があるのです。

自分のことを、染み出すほどに考えてもらっている子どもは、自然と他の人のことを考えます。


それが本当の こころの発達の結果としての、道徳 なんだろうなと思います。


外付け、があってもいいと思います。○○しなさい、があって良いと思います。

けれど、Innが先でOutが後。

これは、子どもの言葉の発達や、
問題行動と言われるものを見るときに、

子どもを理解したいと思う時に、
とても役立つ原則だと思います。

ディベサポ 清水宏美

#ことばが遅い



当サイトのテキスト・画像の無断転載・複製を固く禁じます。

一覧に戻る

Contact 問い合わせ・
申し込みフォーム

お問い合わせ、ご相談については
専用フォーム、またはE-mailよりご連絡ください。