2024.11.10
言語発達遅滞


こんにちわ。
こころと言葉のセラピスト 清水宏美です。

昨日は、言葉の遅れとその場合に出来る対処 について書きました。
https://dibesapo.com/speechdelay/


これをやろうと思うと、大人の側が どれだけ心が使えているか
が、重要になって来ますよね。

こころが使えるようになってくると、どんどん自由になっていきます。

さて、本日は、明らかに言葉の発達が遅い場合、言語発達遅滞 というテーマで書いていきたいと思います。


言語発達遅滞とは

言語発達遅滞は、言語病理学的な診断名です。
以前は、同名でアメリカ精神医学会の医学的診断基準であるDSMにも記載されていました。
現行のDSMー5では、発達性言語障害 と言う名前になっています。

ことばの遅れ と、言語発達遅滞は混乱して用いられそうですが、
ことばの遅れ は、言語発達遅滞ではなく他の様々な原因でも起こります。

例えば、発達障害と言われるもの、知的なハンディによるものなどです。
このどちらでも、ことばが遅い、と言う状況が生まれます。

しかし言葉だけが、明らかに著しく遅い、
という状況があり得るのです。
この場合、言語発達遅滞、と呼びます。


発達障害、あるいは知的なハンディによる場合と、原因が違うためアプローチが違うので、
しっかりと別の症状として、扱う必要があります。


言語発達遅滞へのアプローチ

言語発達が、明らかに遅れる場合(明らかは1年以上を目安と考えます)、大きく二つのタイプがあります。

表出型と理解型です。


【表出型】

表出型は、こちらの言っていることは理解しているにもかかわらず、表出が遅れる場合です。
微細な発音の運動をかなりのスピードで、系統的に行えない場合、
音の処理が上手くいかない場合 などがあります。

後者では、音の処理が上手くいっておらず、学習年齢になった時に、学習障害(読み書き障害)となることがあります。その前の段階として、幼い年齢のうちは、この症状を見せていることがあります。

出来る働きかけとしては、まず コミュニケーション意欲をそがない😊 ことです。
伝えたい。その思いから人は話をします。子どもはコミュニケーションを取ろうと思うようになります。
ですので、少々間違っていても、分かる範囲であれば了解する、ということが必要です。
その上で 正しい発音を聞かせる というのは、良い刺激になる可能性があります。

言いなおしをさせない、というのは日常の働きかけでは大切になります。
訓練的な意味合いで、お話しすることを促す場合もありますが、この場合は専門家に相談しながら行う方が、良いと思います。

文字を早めに入れた方が良いタイプと、文字学習自体が決定的に難しいタイプがあります。

特に頭の良い子では、自分が言いたいことを言えない、相手に勘違いされる、人並みにうまくパフォーマンス出来ない、ことに心理的な軋轢を抱えることがあり、
幼いころより十分に話せない、ということが、こころの形成に大きな影響を与えている、ということを理解したうえで、養育・教育することが大切になります。

言語病理学的な要素とは異なりますが、言葉が遅いことに、性格・気質的な(心理的な)面が影響している場合もあります。
自分が明らかに 出来る💪とわかるまでやらないタイプ、と言ったらよいでしょうか。
そういう 性格 を、幼いころから持っているお子さんがいらっしゃいます。
その場合、ことばが 表出として 口から出るのが遅れます。
しかし、本人が 言おう、これはもう言わないと伝わらなくてフラストレーションがすごすぎるぞ、あるいは 言えるんじゃないか と判断したとき、話すようになるよう、見受けられます。
そして初めはこれまでやったことがない運動なので、たどたどしいのですが、毎日練習をしていくと、どんどんお喋りが上手くなっていき、3歳ころには通常に追いつくといったことが見られます。

本人、安心をしっかり得たいタイプですので、助けるためには、笑ったり親がびっくりしたりしないで、練習(お喋り)を励ますよう、対応することが大事になります。


【理解型】

こちらは、言葉の理解面で、遅れが見られる場合です。
お子さんは、お話するにはするのですが、冗長な・的を得ないような 長くお話してるんだけど何がいいたかったんだろう?🤔 というような話し方になることが見られるように思います。

詳しく調べてみると、文法の理解の面で遅れがあったり、
語彙が少なかったり、
ことばを覚えて終える単位が短かったり(よくあるテストでは 黄色い三角を取ってください、に違う色の△を取る、など。一つの要素しか聞いていなかったり)
します。

なんとなく、ふわっとは聞いているのですが、細かいところまで聞いているわけではないのです。

この場合、聞く ということに 注意を向ける 練習をすることになります。

私は、がちがちに、聞きとりの練習をさせるより、注意をむけるという その態度を学ぶ 練習をするような、指導法の方が好きです。(理由は後半で書いています)



ここまで書きましたいずれの場合も、お子さんが興味を持てることを見つける というのが、重要なポイントになります。


訓練訓練 明日も訓練?

好きこそものの上手なれ

大人の場合もそうです
出来ないことを、無理やりやらされる程、苦痛なことはありません。

自分から、自分で選んで やりたくなったことであれば、多少の苦労があったとしても、何とか乗り越えようとするものです。
幼いころから、人にやらされるとをやらなければならない、と言う態度を身に着けた子どもは、欲動展開と言う、心理的な、自分で自分の人生を回していく基礎になる力を、育て損ねてしまいます。

ですので、お子さんが やりたいこと を見つけて、そこから何が出来るのか、考えていくことが必要になります。

そして、興味を持っていること というのは、お子さんが、自分の今後の人生に 必要 と知っていてやっていることが多いのです。
それを出来るだけ、支え応援することになります。

とは言え、苦手なことをやらなければならない側面は、出てきます。
その時に、何をどこまで、どのようにやらせるのか、には、
親が どんな子どもになって欲しいか この子に何を期待しているのか 
によって、大きく変わってきます。



親と子


必ずペアで見なければならないのは、そういったわけです。


親を誰に選んでいるか、と言う時点で、
その子の持っている 資産 は変わってきます。

そしてそれも、人が自分の人生を生きるために、選んできたこと と捉えられるのではと考えています。
アメブロの方で、親から受け継ぐものとその生かし方 については、記事を書いています。

人は自分を生きるために、必要なものを持っている

よろしければ、ご参照ください。


けれど、親と子が、別の人間であることは別の人間。

何を育てたいのか、どうしたいのか、

親御さんのお話も良く聞いてみると、子どもとの組み合わせで、
本当にマッチングしているなーー と思うことが多くあります。


パズルを紐解く助言や支援、アドバイスが必要な時は、
周りの人たち(先生や保健士さんやお医者さん)
を、どんどん使われてください。



周りに適当な人がいないときや、もし私と話してみたいと思われたときは、
どうぞ、私もお使いください。





それでは。
ここまでお読み頂き、ありがとうございます。





ディベサポ 清水宏美

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