身体にハンディのあるお子さんの発達
こんにちわ。
今日は、身体にハンディのあるお子さんの、ことばの発達について書きます。
「専門的」に書くのか「親御さんの側に立って」書くのか、いつも書きながら迷います。その間で、必要な知識を分かりやすく、伝えられたらなと思います。「知識」はいつも私を助けてきてくれました。けれど冷たいものになりがちです。客観的に見るのと、当事者として感じることは、当然「温度差」があります。私自身、自分がその両方の 温度 を体験してきて自分がばらばらになる感じも味わいました。
今はその「温度差」を、子どもを見るうえで役に立つ、という視点から越えられたらと思っています。冷たく響くことや、がーーんと来ることが, あったらごめんなさい。でも、事実は事実として見ることで、越えていけると思います。私が見て、聞いて、体験してきたことで、これだ!と思うことを書いていきます。
身体に不自由、と言っても様々な原因があり、非常に大まかに分けますと、生まれた時から身体運動にハンディがあるお子さんと、生まれた時は無かったものの途中で事故や病気により、身体の運動にハンディを持ったお子さんがいらっしゃいます。
生まれながらに、と言うと代表的なのは脳性麻痺と言われる障害です。出産時あるいは出産の前後の問題により、脳がダメージを受け運動の発達が定型のようにはいかなくなっている状態、と言われます。重力に対抗する筋肉活動がうまくいきません。感覚のフィードバックもうまく起きません。
お腹の中にいた時から、障害が起きていたのではと考えられるお子さんもいらっしゃいます。現在では遺伝子診断なども進歩して、様々な状態に分類、診断が付くようになってきました。そして現代では多いのは、小さく生まれた、低出生体重と言われるお子さんです。どうして小さく生まれたのか?理由は様々だと思いますが、通常の体重で生まれるより運動障害のリスクがあります。
言葉の発達
言葉を話すには、身体の発達が必要不可欠です。首が座り、口やその周りの筋肉を自由に動かせるようになる必要があります。頭が固定されてこそ、いろんな音を作ることが出来るようになります。首が座っていない状態では、より巧緻で高次の口や舌の運動をすることができません。音を作るには、喉頭で声帯を震わせて音を出す必要があります。その音の元になる音を、緊張や麻痺のために作るのが難しいお子さんもいらっしゃいます。
そしていろんな音を作れるのと同時に、認知 と言われるものが発達してきます。目の前にあるものを ことば という 現物じゃないものと 同じ と考えることが出来る。象徴機能が発達してくると、ことばを操れるスペックが整った!言えます。 😊
身体に不自由のあるお子さんでは、この 認知 を発達させるための手がかり、こんな時期にはこんなことをやると良い、というのはいろんなことが分かってきています。療育と言う分野で、実践・研究が積み重ねられてきました。
お母さんと子どもの二人の関係から、おもちゃをはさんで3 になり、お父さんを交えて 3 になり、目の前に物がなくても、隠れているだけで、そのものはそこにあると分かるようになり(いないいないばーが楽しい)、手段と目的の関係がわかるようになり(紐を引っ張ると物がこっちに来る)、ちらかして全部出すようになり、それからボールなどを一つの箱に入れるようになる。
象徴機能が出てくるまでの認知発達を羅列してみましたが、各々の時期で、こんな課題をやってみたらいい、こんなことを一緒に楽しめたらいい、というのが分かってきています。
これに加え、一番大切なこと。すべてはそのためにある、と言っても良いこと。
それは、その子どもの こころ が健康に育っている ことです。
その子の発達に応じた、こころの強さ、健康さ。
健康である人の身体とは違い、気をつけなければならないこと、疲れと認知やこころの状態は、強く結びついています。それに何より気遣う必要があります。身体とこころは繋がっています。
こころが発達すると、その人の持つ役割を果たせるようになります。そうなるために、言葉も身体も認知も、使っていくのだと言えるのではないかと思います。逆説的ですが、こころが健康な時、言葉も身体も認知も、一番発達をします。パワーが自分の内側と外側で、ロスのない状態になるのです。スポーツ選手などが入るという、ゾーンはこれのことだと考えられます。
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